東京マラソン2024男子・・・トップランナーは驚異的なスピードだった

4年ぶりにコロナ禍前の規模に戻り、
3万8千人が東京を駆け抜けた。
高まる期待・・4,100万円?
4,100万円・・・!って何だか分かりますか??
東京マラソンで優勝、かつ世界記録を出したら貰える賞金だそうです。時給2千万円だ!そのうち世界記録賞金が3千万円だと・・。この金額は世界メジャー大会の中でも東京が突出しているらしく、なるほどオリンピックさながらのスピードランナーが、ここぞと集結するわけですね。主催者サイドとしても、ベルリンばかりでなく東京でも世界記録をと熱望しているということです。
今回の東京マラソン男子においての見どころは、世界記録更新!となるか?日本選手のパリオリンピック残る1名は誰が勝ち取るのか?というもの。なんと言っても、オリンピック2連覇のキプチョゲ選手の出場。自身が2022年ベルリンで樹立した世界記録2:01:09は、昨年キプタム選手(交通事故で不運にも亡くなられてしまいました)の記録2:00:35によって塗り替えられたのです。
今回はその王者が世界記録奪還を狙いに来ている。ほか、ケニアエチオピア勢は2時間5分以内の記録保持者がズラリと並ぶわけです。世界記録が出るのでは。もしや2時間の壁を打ち破るシーンも?と、否応でも期待が高まります。

結果は、記録的な期待が大きすぎた反面、なかなか思い通りにならない難しさを垣間見たレースでした。
序盤は、下りコースと気負いからか世界記録を上回るハイペース。そしてキプチョゲ選手がまさかの20キロ手前での失速。(それでも2:06:50なんですが)そして西山雄介選手が2:06:31、なんとキプチョゲより前に出て日本選手トップでゴール。日本記録所持者の鈴木健吾はじめオリンピックを狙う強者たちがひしめきあう中の勝利。しかしオリンピック出場条件の設定記録である2:5:50を切ることが出来ず、去年のMGC3位であった大迫傑選手が、そのままオリンピック内定したという展開でした。
世界記録はキロ2分51秒平均

今回の優勝者キプルト選手、日本人トップの西山選手、キプチョゲ選手に加え、そのキプチョゲ選手の元世界記録と、現世界記録を比較してみました。
- キプチョゲ選手は序盤から異変があったのか?前半までは世界記録を上回るハイペースの展開だ、との実況中継であったが、実は自身の記録よりは最初から遅かったのである。当然世界記録更新を狙っていたはずなので、ペースメーカーの影響というより本調子ではなかったのかもしれない。
- キプタム選手は驚異的であった。30−35kmのラップタイムは2:46、ゴールまでも2:48、2:49と、他の選手がいずれのタイミングでも到達していない。しかも、他選手が後半落ちてくる終盤での現象である。
そのキプタム選手の世界記録、2:00:35はなんと「キロあたり平均2分51秒」このペースを維持して42.195kmを維持することが、どれほど困難なことなのか。ということがグラフを見るとよく分かりますね。
キロ3分を超える世界とは?
そもそもキロ3分ってどれ程速いのだろう?
- 2分50秒・・・2時間ジャスト
- 2分51秒・・・世界記録(2:00:35)
- 2分52秒・・・世界歴代2位(2:01:09)
- 2分57秒・・・日本記録(2:04:56)
- 2分 59秒9・・西山選手の今回記録
キロ3分を切るペースで走った日本選手は歴代で9名しかいない。
- 鈴木 健吾 2分57秒(2:04:56) 2021年 びわ湖
- 大迫 傑 2分58秒(2:05:29) 2020年 東京
- 山下 一貴 2分59秒(2:05:51) 2023年 東京
- 其田 健也 2分59秒1(2:05:59) 2023年 東京
- 設楽 悠太 2分59秒4(2:06:11) 2018年 東京
- 高岡 寿成 2分59秒5(2:06:16) 2002年 シカゴ
- 平林 清澄 2分59秒6(2:06:18) 2024年 大阪
- 土方 英和 2分59秒8(2:06:26) 2021年 びわ湖
- 西山 雄介 2分59秒9(2:06:31) 2024年 東京
この数年ではキロ3分を切る場面は日本選手でも珍しくなくなってきたけれど、別次元の速さであることは間違いないですね。

ランニングマシン、高価な本格仕様ではキロ3分を超えるものがあるけれど、スポーツジムにあるのはマックス時速16キロであったり、せいぜい20キロ、すなわちキロ3分ペースまでのものです。私もスポーツジムを20年以上渡り歩いて来ましたが、ランニングマシンで時速20キロを一瞬でも走っている姿は見かけたことがありません。・・・自分以外では。台が揺れるんです。周りにひと気の無い時を選んでガンガン音を立てながら。集中力失うと転びますね。もうついていけないし、400mくらいで減速ボタンを押しまくりました(笑)
これで42.195キロとは、どういうこと?同じ人間で?と考え込んでしまうわけです。
トップ集団、3時間、3時間30分、4時間のペースランナーに続く集団ランナーを観察すると明らかにフォームと動きが違うわけです。効率の良い走りとは、年齢やトレーニングに影響受けるエネルギー効率「生理学的」側面と、フォームやシューズなどテクニカルな「動的外的」側面があリます。今回の東京マラソンは抽選外れて観戦観察に徹したのですが、あらためてそれらを追求してみたいと思った次第です。

