体力年齢測定(スポーツ版人間ドック)しました。柔軟性はランニングに必要か?

横浜医科学センターで実施されるスポーツ版人間ドックを受けてみました。

年々衰えていくだろう、いや維持向上する?体力を一度ウォッチしておく必要があるだろう。

それに体力と言ってもいろいろな箇所、特性がありそれぞれの得意不得意があるはず。特にウィークポイントに対しては積極的にケアしておきたい。という思いも常々考えていましたので。

100歳でも俊敏な動き。100歳でもパワフルに。と意気込んで参加しましたが、「柔軟性」が思い通りダメ、そして予想以上にダメダメでした。

レーダーチャートによる体力バランス。持久力は抜群であったが柔軟性は底辺レベル。

なるほど想定していた通り結果。「持久力」は抜群であったが「柔軟性」は底辺レベル(笑)であった。柔軟性はランニングに必要ではないという説があるが、そういうことで甘んじてしまって、はたしていいのか?

普通の人間ドックと違う点は、健康のために効果的に運動しましょう的な観点で、測定結果やアンケートをもとに栄養指導、スポーツ指導を受けて体力維持向上を目指すためのアドバイスを受けられます。

また、普通にある採血・採尿もあるのですが、測定内容としては

  • 体組成測定 
  • 骨量測定
  • 体力測定
    • 筋力(握力、膝関節)
    • 瞬発力
    • 俊敏性
    • 柔軟性
    • バランス
    • 持久力
    • 歩行能力

体組成・・身長体重体脂肪率などはよく注意しているのですが、「除脂肪体重」というのは見落としがち。この数字自体というより、期間比較によって筋肉量の増減が分かる重要な指標。

骨量測定・・踵の骨(踵骨)に超音波を当てて骨の硬さを測定します。測定終わったら測定員から「すごいいい値」です。20歳レベルだと。骨だけだったら、あと80年生きられます(笑)。

柔軟性・・長座体前屈(床に座り、両膝を伸ばして足底を台に当て、足底面を基準(±0)に手前をマイナス(-)、奥をプラス(+)として、指先の到達点を測定)普通はプラス。私はマイナス7cm。データ上はもうあの世(笑)です。

横浜市スポーツ医科学センターHPより抜粋

バランス・・20秒間の片足立ちで床面に設置した測定プレートで「揺れ」を測定するというもの。ロコモ状態を知る測定方の1つ。60代から急速に低下して転倒のリスクも高まるようです。私の場合は左右差があり、右は年齢相応、左は10歳加算、これ自体バランスが悪いですね。ランニングにとって姿勢バランスが重要であるのですが、反面ランニングを長くやるほどクセが固定化して、この測定結果に出てしまう傾向にあるらしいです。やはり基本に戻って「姿勢を正して」歩く走るということでしょう。

持久力・・血圧と心拍数の測定器を身に付けて自転車エルゴメーターを漕いで測定するもの。徐々にそのペダルが重くなり、そして重く重く、どこまで行ってしまうの?やっと10分くらいで、ゼイゼイハアハアしながらやっと終了。

(220ー年齢)が一般的な最高心拍数。この90%に達するまでに段階的に10分かかりました。その最終的なペダルを押す力、運動負荷(ワット)を調べるというものです。

5台ほどのエルゴメーターのうち、他の受検者はどんどん終了している中、自分だけ居残り受けているようで、結果見てわかったのですが、その90%負荷に至るまでの所要時間が、自分の高い持久力がために長くかかったということでした。PWC75%HRmaxという値が3.21(平均値1.72)とかなり高い数値でした。有酸素運動を定期的に行っていれば数値が当然高くなります。

さて、どれもランニングパフォーマンス向上のために必要なことばかりだと思うのですが、「柔軟性」は直接イメージできない部分もあります。確かに可動域を広げることは、その動きの抵抗を減らしてスムーズに動くことに貢献できそうですが、実際のランではストレッチする程伸ばすような動きでも無いし、必要な運動域の中で無理なく動いているという感もあります。

むしろ柔軟性はランニングパフォーマンスを下げてしまう可能性があるとの説もあり。またランニング前の過度なストレッチはパフォーマンスを下げる、やるなら静的ではなく動的ストレッチが良い。との話もよく耳にします。

感覚的には、硬くなった筋肉を一旦緩めて解す方が気持ちよく走り出せるし、怪我防止になると思われるのですが、一方で長座体前屈での柔軟性(ハムストリングス)と長距離走のパフォーマンスとは反比例の関係にあるという研究結果もあるのです。

Clinical TrialInt J Sports Med

  • 2002 Jan;23(1):40-3.

 doi: 10.1055/s-2002-19271.

Running economy is negatively related to sit-and-reach test performance in international-standard distance runners

A M Jones 1

Affiliations expand

Abstract

The purpose of this study was to investigate the relationship between running economy (RE) and lower body flexibility. Thirty-four international-standard male distance runners (mean +/- s, age 27 +/- 5 years; body mass 64.9 +/- 4.2 kg; VO(2)max 72.8 +/- 3.7 ml x kg(-1) x min(-1)) gave written consent to participate in this study. The subjects performed an incremental treadmill test for the assessment of RE, lactate threshold and VO(2)max, and the sit-and-reach test was used to assess their general lower body and trunk flexibility. Running speeds below the lactate threshold were used to explore the relationship between running economy and sit-and-reach test performance. At 16.0 km x h(-1), the VO(2) was 50.6 +/- 3.7 ml x kg(-1) x min(-1) (range: 44.2 to 57.1 ml x kg(-1) x min(-1)). Pearson product moment correlation coefficients revealed no significant relationships between aerobic demand at 16.0 km x h(-1) and age (r = – 0.19), height (r = 0.15), body mass (r = – 0.18), or VO(2)max (r = – 0.004). However, there was a highly significant relationship between aerobic demand at 16.0 km x h(-1) and the sit-and-reach test score (r = 0.68; p < 0.0001). These results suggest that the least flexible runners are also the most economical. It is possible that stiffer musculotendinous structures reduce the aerobic demand of submaximal running by facilitating a greater elastic energy return during the shortening phase of the stretch-shortening cycle.

PubMed Disclaimer

Int J Sports Med. 2002 Jan;23(1):40-3. doi: 10.1055/s-2002-19271. PMID: 11774065.

「柔軟性が最も低いランナーが最も経済的であることを示唆している。」と言っています。この根拠として、「より硬い筋腱構造は、伸張-短縮サイクルの短縮段階での弾性エネルギーの戻りを促進する。」(google翻訳より)としています。

カーボンシューズと同じ理屈で、蹴り出したハムストリングの伸びが、着地する時点では収縮し、その際に硬い方がその着地の反発を得られやすいし、過度に柔らかいと、着地時の緩衝に一定のエネルギーが消費されてしまう。ということなのでしょう。まあそうなると怪我リスクも高まるので、適度に柔軟性も残しながら、かつ耐久性(筋持久力)のある筋肉が長距離走にとって理想の形となるのでしょう。

やはり総合的には、どれも力を抜かないことでしょう。弱点においては尚更のことで、柔軟性はケガ予防という観点からもパフォーマンス向上のために必要だと言えるでしょう。少なくとも人並みに胡座をかけるくらいには、この状況に甘んじてはいけないですね。

冒頭のレーダーチャートを眺めながら、加齢による「弱点の進行」が致命傷ほどの痛手を負いかねない・・かも。とあらためて考えさせられたのでした。

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