ウォーキングに学ぶ 東京エクストレームウォーク50Kに参戦!

参加理由は人体実験?
2024年3月9日雲ひとつない朝 50Kウォーキングイベント。ぞろぞろとスタート地点に向かう人たち。
りんかい線「東京テレポート駅」を降りたった私も急がないと指定のスタート時間に間に合わなくなる。
3分間隔でのウェーブスタート。走るのとは違い、速度差はそれほどなく、狭い歩道を考慮しての配慮だろうと理解した。
しかし、どれだけ進んでもスタート地点が見えない。
もしや?
スマホのGPSを確認すると、方向が逆だった。私は有明駅の先まで歩いてしまっていた。
いつもの調子で受付に向かっている人々を見て、私も疑わずについていった。しかし、今日はマラソンではなく、歩いているのが本番だったのだ… 受付会場に戻ると、既に5Kウォークが終わっていた(笑)
・・・と、いきなりやらかしちゃった。
私の人生最長の歩行距離は15キロだった…
これまでに50Kランや70Kトレイルランなどの経験はあったが、「歩く」という発想はなかった。これは私にとって未知の領域だった。果たしてどんな展開になるのだろうか?マラソンよりは気軽に参加したが、果たして完歩できるのだろうか?どんな苦難が待ち受けているのだろうか?走るためのヒントを見つけることができるだろうか?
人体実験をしてみよう。興味津々・・。
こんな思いでエントリーしたのだった。
東京エクストリームウォーク50Kとは

お台場のシンボルプロムナード公園をスタートし、東京スカイツリーを眺めながら隅田川テラスを北上、
浅草、上野、神宮外苑、国立競技場、目黒川、東京タワー、豊洲大橋を渡り豊洲市場、そしてゴールお台場に帰ってくる
タイムや順位を競うものではなく、所定のチェックポイントを関門時間までに通過して、制限時間内ひたすら「歩く」というもの。参加者数は1,978人ゴール者数は1,804人(ゴール率91.2%)だったようです。
そして禁止事項は「走ること」。走っているように見える歩き方はダメ。←これはきっと過去に「走ったわけじゃなく競歩みたいに・・・」とか言い訳してた人がいたんじゃないのかな??確かに走った方が早く着けるというのもあるし、違う筋肉を使って筋肉疲労が分散される。そもそも走ったら趣旨に反しますね。逆にマラソンでは終盤歩いたら違反にしたら・・違反者続出か。
ひゃ、100K !
今回は50Kだが、100K大会もあるようで… 正直私は100K完歩できるか自信がない。
やっとのことでゴールした50Kが、中間地点に過ぎないなんて…
ただ、心の奥底にチャレンジ精神の種が少しだけ蒔かれたような気がしないでもない。
100Kのウルトラマラソンの経験は一応あるけど、ダメージの種類が違う。

散歩やランニングが行き交う長閑な風景。

筋肉が硬くなってきた。

あの向こう側にゴールがあるはず。あと7キロだ。でもここからが長かった。
身体へのダメージ ランとの違い
フルやウルトラマラソンは、全身の疲労、足の筋肉がヘタってバネが効かない、身体が重い。乳酸飽和状態。
一方のウルトラウォーク。そういうキツさはさほど無いけれど、じわじわと局所的に痛みが辛くなる。痛くなっちゃうと、それ以降がホント大変。
大腿筋膜張筋の痛み
「着地〜接地」に主に使われる筋肉は、筋肉痛で分かったことだが
- ウォーキング→大腿筋膜張筋 が主役。なぜなら信号が青に変わってからの一歩が・・・
- ランニング→大腿四頭筋 が主役

大腿筋膜張筋
太ももの上部外側の筋肉。30キロ過ぎからここが痛くなり、終盤は信号が青になった最初の一歩・・恐る恐る。あっ、イタっ。
大腿四頭筋
ランは体重の3倍の重力を受け止めるためにより大きな大腿四頭筋(大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋)が働き、着地の衝撃を吸収して安定させる。この着地衝撃に耐える筋力がランニングパフォーマンスに大きく影響する。
↓(青い部分)筋肉痛で分かる。運動時に触っても分かる。
| 大腿筋膜張筋 | 大腿四頭筋 | 主役の筋肉 | |
| ランニング | ・横ブレを抑える(腸脛靱帯と一体で) | ・接地している間 一瞬(0.2秒程度)だけど 体重の3倍の衝撃を吸収する | 大腿四頭筋・・大きいから余裕? でも頼り過ぎて最後はダウン |
| ウォーキング | ・前足への移動 ・接地している間ずっと(0.5秒程度)体重を支える。 →休みなく動いている。 | ・着地時クッション(ブレーキ) ・移動時は緩む →ほぼ気にしなくて済む程度 | 大腿筋膜張筋・・小さいのによく頑張っている! でも流石に50キロはオーバーヒート |
そういえばフルマラソンゴール後は、大腿四頭筋が硬くなっているのに加え、普段の普通のランニング程度では感じなかった「腰骨の外側」が痛く酷使されていたのに気付く。これは大腿筋膜張筋と一体になっている腸脛靱帯の上部部分。
何故か??
ランニングの着地・・ 主役:大腿四頭筋 脇役:大腿筋膜張筋
大腿筋膜張筋と腸脛靱帯は、外側から体感を支え横ブレを抑える働きもあるけど、ランニング時も着地の衝撃も間接的に受けている。「腰骨の外側」の痛みの原因ということ。実際にフルマラソン以上のゴール後に地面を押すとやはり痛い。
ランニング着地は大腿四頭筋が主に担っているわけだけど、実は大腿筋膜張筋も脇役で働いていた。
なるほど人間の身体、うまく出来ていて、主役脇役を上手く使い分けて分ダメージを分散させている。どこか故障すると、無意識にどこかが庇いながらそちらも故障するというのは経験上よくあることだった。
ランニングの前足引き上げ・・ 主役:腸腰筋 脇役:大腿筋膜張筋
また足を引き上げるのは腸腰筋であると一般的には言われているが、足を引き上げると大腿筋膜張筋も緊張しているのが分かる。
ウォーキングで主役だった大腿筋膜張筋、実はランニングにおいても着地や足の引き上げの脇役として地味に活躍していた。今後はこの部分のトレーニングやアフタケアにも注目する必要がありそうだ。
大腿二頭筋の腱の痛み

太もも前面の筋肉が着地の衝撃吸収。一方で裏側(ハムストリングス)は、後ろに蹴り出して身体を前進させる筋肉である。
ウォーキング・・・大腿二頭筋の付け根が使われる
翌日から、筋のような箇所(膝を曲げて触ると分かる)がかなり痛くなった。接地時間中は体重を支えながら、身体を前進させる際に大いに活躍していたからだ。(触ると動きがよく分かった)
ランニング・・・大腿二頭筋その他ハムストリング全体が使われる
以前私が好調な時期(好調な時こそモチベーションが上がってついオーバーワークになる)に大腿二頭筋中央部を肉離れを起こしてしまった。紫色になるほどだった。今でもレースで酷使すると奥の方で鈍い感覚がある。10Kやハーフで比較的スピード出す走りで痛みやすかった。
ランニングにおいては、この付け根の方は意識したことがなく、どれ程重要なものかはわからないが、同じハムストリングスの仲間。大腿二頭筋で繋がっているので、今後はちょっと気にしておいた方が良いかも。ひゃ、っきろウォークなんてまさか無いと思うけど、万が一の際はそれなりに鍛える必要が・・・
帰路での吐き気
帰路の電車では、ずっと立ちっぱなしだった。むしろ座ってしまうと立ち上がるのが辛くなりそうだったので。
しかしそのことがきっかけとなったのか、次第に頭痛と吐き気が襲った。限界に近づき急いで駅のトイレへ。便座に座ると次第に落ち着いてきた。
原因はおそらく低血糖。それなりにエイドで甘いものを食べていたけれど、冷静に振り返ると圧倒的に消費エネルギーに対して足りていなかった。マラソンでは計画的にジェルなどの補食に注意していたのに、今回は怠ってしまった。
(針のついたパッドを腕に貼って、スマホでリアルタイムに血糖値が測れるアプリってあるのですね。以前の沖縄100Kでの出来事。70K付近でちょっとふらっと来たのでスマホを見たら、それまで90〜110くらいで推移していた値がいきなり70くらいに下がっていたので、慌ててチョコなど食べて凌いだことがありました。)
走る50K歩く50K、体重と移動距離が同じなのだから、歩きでゆっくりだとしても消費エネルギーは同じ。むしろ時間が長い分、暑さ寒さ、雨風の外的負荷は大きい。そこを気にせず、栄養補給を怠り、痛い目にあってしまったというわけ。
その後、歩きながらあれだけ痛かった大腿筋膜張筋は翌日中には解消し、その代わりに遅れて出て来たのが裏側の大腿二頭筋付け根部分の筋肉痛。こちらは3日間続いた。同じ筋肉でも筋肉痛の発生タイミングや期間が異なるというのは興味深い。
ということで、初めての50Kウォークは、なかなか大変だったし、色々と筋肉視点で考察を深められたイベントであった。決して専門家ではないが自分自身の感覚で得ることが出来た。人体実験の成果がちょっとだけ。
これまで気にしていなかった脇役の筋肉も主役を活かすためにトレーニングに取り入れてみよう。

