前田穂南と野口みずきのフォーム分析

女子マラソン日本記録が19年ぶりに更新

ついに「アレ」を成し遂げました。阪神優勝に続いて流行り?前田選手も走る前から「アレ」を目指しています・・・。勝利インタビューでは、アレは「日本記録更新です」・・・と。

それは、パリオリンピックの女子マラソン代表をかけた選考レースの1つ、大阪国際女子マラソン(2024年1月28日開催)で、2時間18分59秒の日本新記録をマークした。これまでの日本記録は、アテネオリンピックの金メダリスト、野口みずきさんが2005年ベルリンでマークした2時間19分12秒で、前田選手はこの記録を19年ぶりに更新た。そして、昨年のMGCで7位に終わったリベンジ戦での勝利は、再びパリへ大きく前進したことになった。(3月10日の名古屋ウィメンズマラソンの結果で残る一枠が決定)

大阪国際女子マラソン上位3選手の速度推移の折れ線グラフ

一流選手でも35キロの壁がある。そして最後の2キロでペースを上げトラックで全力を振り絞る。3選手の共通点だ。ただ、松田選手のように、通常は後半のペースが徐々に落ちてしまうのが普通である。エデサ選手と前田選手は後半のタイムの方が速かったのだ。

なぜ19年も記録が続いたか?なぜ19年ぶりに記録が更新できたのか?

・・・2人の体格や身長、フォームにはほとんど共通点がなく、むしろ対照的である。

name身長ストライド着地
前田穂南166小〜中ミッドフット
野口みずき150ヒールストライク

ランニングフォーム解析ソフト(仮称:ランニング・アナライザー)で比較してみよう。

これは、前田選手ゴール間近のトラック内でのスパートを捉えたものであり、その結果、股関節の運動域角度は61度とストライド走法との判定ではあるが、それ以外のコース上では、55度前後で推移していてほぼピッチ走法と言えるのである。

また身体の真下で、足全体で着地するミッドフットである。したがって効率よくクルクル回転させ、それを最後まで維持した体幹力などの身体能力が極めて高かったのだと思われる。

同様に、野口選手(2003年パリ国際)のラストでは、股関節の運動域角度は83度にも達していた。宙を舞うが如く蹴り出し角度が高いのと、その分着地が遅れるのかと思いきや、滞空距離が伸び、かつヒールストライクからうまく転がし身体を引き寄せている。並大抵の筋力ではここまでの芸当は無理である。これが野口流、ストライドの伸びた力強い走りと言われた所以である。背中と足が一体の鋼となったようなパワーが小さな身体から漲る。それを42.195キロ続けてしまうのである。流石に「走った距離は裏切らない」練習量をこなした野口選手ならではである。

両選手とも、それぞれの対照的なフォームの特徴を最大限に活かす走りが出来たこと、後半も同じフォームを同じピッチで維持できるパフォーマンスが、他の選手と比べ際立っていた。簡単に言ってしまえば、これらが記録を打ち出した大きな勝因だろう。

ちょっと想像してみたのですが、

2005年ベルリンの時代、もし厚底シューズがあったら・・・・。野口選手に力強い走りと厚底の反発力がベストマッチして、おそらくもう10年間は記録は破られなかったかも。

そして前田選手が、これからもしストライド走法も取り入れたら、世界記録が誕生してしまうかも。

(あくまで個人的想像の世界です)

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