厚底シューズの混迷
年々進化するランニングシューズは、各ブランドが誇る最新技術の結晶です。
そして、この激しい競争の中で、ランナーたちは最高の性能を備えたシューズを手に入れることができました。
その象徴が近年流行りの「厚底シューズ」です。
ナイキの席巻
2018年には設楽悠太選手と大迫傑選手が相次いで日本記録を更新した。2人ともナイキの厚底シューズを履いていた!
東京マラソンにおいても、エリウド・キプチョゲ選手がナイキとのコラボ「厚底シューズ」で男子マラソンの五輪2連覇を成し遂げた!
その前年に同選手は非公式ながら2時間の壁を突破し、これもナイキの全面バックアップがあったのです。
そして、2020年の箱根駅伝で優勝した青学の足元は、ピンク一色、お揃いナイキ厚底シューズ!

最近はアシックスやアディダスが続き、またその他ブランドもこぞってこのカテゴリーに参入し、それぞれの特色特徴を打ち出している。
先日ランニングシューズコ売り場にこんなPOPが・・
「2024年箱根駅伝出走者のシューズブランド調査」
やはり、先駆者の地位を確立したナイキ。依然として圧倒的な強さ。
厚底の使用率ってどうなんだろ。・・実際見た感じ、ほぼ全員なんでしょうね。(撮影画像ご参照)



市民ランナーの迷い
2017年より前においては・・・
「薄底」が、エリートランナー、スピードランナー向け、軽量化を追及したレースシューズ。
「厚底」がクッションを重視し初心者にも優しいシューズ。というのが主流、常識だった。
その常識を覆したのがズバリ、カーボンプレート。(カーボンとは炭素のこと。炭素繊維を組み込んだ複合材料を使用し、その素材技術や構造の特色でによって性能や特性が左右され、そこに各メーカーは鎬をけずる。)ソールに中にカーボンプレートが組み込まれ着地するとバネのように反発力を生み、身体を前に押し出す・・好記録が出せる所以だ。
さて、いいことずくめにも思えるシューズ、何を選べばいいの?そもそもそんなエリートたちの道具を一般ランナーが同じように使いこなせるのか?という疑問も生じます。また、ジョギングなどのお気軽メニュー用とレース用途でも違うはず。
そりゃ世界記録、日本記録、駅伝日本一となれば、当然にように俺も、俺も、私だって・・そして、ランニングシューズ市場が一気に厚底シューズに向かうわけです。レースのスタート待ちで周り見渡すと、あ、これも、あれも、見事なまでに厚底ばかり。
でも、その俺とか私とか、サブスリー以上を除く普通の市民ランナーが、この類を履いたおかげで記録を伸ばしたってあんまり聞かないんですね。かく言う私も、厚底カーボン履いて何回もフルマラソ走りましたが、弊害はないものの「おかげで速く走れた!」という実感は、よく分からないんです。
それに故障という側面では、確かにカーボンは着地エネルギーをいったん吸収しエネルギーリターンする過程は、足底アーチ機能そのもので、着地の際に体重の3倍の衝撃を受けると言われる衝撃を緩和してくれ、したがい膝の故障リスクは下がる。
が、一方で特にジョギングペースのランナー(早歩きよりちょっと早い、キロ6分以上)は、蹴り出す際にカーボンの力をうまく活かせず、股関節周りへこの反発力が戻ってしまう。結果的に怪我につながることも結構あるようです。
でもマーケット的に厚底「様様」となっているし、製造工場も「厚底+カーボン」仕様に切り替わっている中、なかなか昔の厚底というモデルが出しづらい、というのが現状らしいですね。(某メーカーで開発に携わっていたという販売員さんより聞いた話)
「メリットだけじゃないぞ。何か違和感があるんだよな。」と、徐々に気づき始めたランナーたちのニーズに応え、少しずつ市場も変わり始めてるようです。
中厚程度のモデル。またもう少しカーボン強度を抑えたモデル、厚底原点に帰り安定感重視、普通の樹脂プレートを組み込んだモデルも徐々に出始めているようです。
私もこの度「中厚底+カーボンなし」仕様のシューズを購入しました。
これはレース用というより普段のトレーニング用に。暫く厚底でやっていたのですが、この中厚底を店で試し履きをしたら、
「あ、この感覚」「久しぶり」走っている感覚が呼び覚まされたようだ。
中厚底レビューは別途書きます!
追伸:為末さんのyoutubeが面白かったのでシェアします。厚底が一般に広まっていく中の裏話など。

